競馬日々報

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2015年第22回函館スプリントS(1着ティーハーフ)戦評

ティーハーフの目の覚めるような脚

函館スプリントSは最後方から競馬したティーハーフが直線物凄い脚で前を一気にゴボウ抜きにし、2着アースソニックに2馬身半差をつけて優勝。函館競馬の開幕を告げる、まさに「目の覚めるような脚」で3連勝を達成した。
レースはこれまでスプリント戦で逃げて勝ち星を重ねている2枠3番アンバルブライベンが、1枠1番のフギンにハナを許してしまいそのままアンバルブライベンはコーナーまで押し通し。前半3ハロンが33秒0(決着タイムが68秒3)では前にいた1番人気のコパノリチャード、エーシントップあたりには厳しい流れ。前にいた馬はガクンと脚がなくなり、後ろで脚をためていた馬に流れが回ってくる。一番外を回してスムーズに加速できたティーハーフには絶好の展開となり、前をまとめてゴボウ抜きにして残り100の時点で完全に抜け出し、そのままリードを保って1着でゴールインを果たした。
同じく大外を回して2着に追い込んできたアースソニックは、3~4角で後ろにいたティーハーフが先に加速してトップスピードに乗るのを見ながら、ステッキが入るのはようやく直線に入ってから。ティーハーフに勝てたかどうかはわからないが、ゴール板まで脚を伸ばしていることを考えればもう少し際どい勝負になっていたのではないか。丸田騎手にはもっと積極的に乗っても良かっただろう。
3着のレンイングランド、4着のセイコーライコウは1、2着馬とは違い馬群の後ろから直線では前を捌いて上がってきた。決め脚には欠けたが、セイコーライコウは芝1200では安定した成績を残せているし、レンイングランドも芝1200では今後も安定勢力として活躍が期待できそう。
5着のアンバルブライベンは、あれだけ前に厳しい流れでハナこそ奪えなかったもののよく5着に健闘している。今後もますます侮れない存在。1番人気14着コパノリチャードは前半3ハロンが33秒0のハイペースを追いかけて、コーナーで外からアンバルブライベンを捕まえにいく無茶な競馬では失速もやむなし。これに懲りずに次走以降見直しをしたい。

ストーミングホーム産駒JRA重賞初制覇

ティーハーフの父は2007年に日本に輸入され2008年からダーレージャパンで供用が開始されたストーミングホームで、これがJRA重賞初制覇。ストーミングホームは1998年のイギリス産馬で、現役時代はジャパンカップに出走するなど中長距離で活躍したが、日本ではサドンストームなどどちらかというと短距離種牡馬のイメージで、今日のティーハーフの勝利でまたそのイメージが強くなった。
また、3頭出走したクロフネ産駒が、2、3、4着とすべて上位に食い込んできていて、北海道の芝1200m良馬場での強さを見せつけた。



目の覚めるようなティーハーフの末脚であったが、展開が向いたというのは否めないだろう。次が試金石の一戦となる。2着のアースソニック、4着のセイコーライコウはトップスピード勝負となれば決め手には分がある。次はアイビスサマーダッシュだろうか、得意の舞台に向けて調子は上々といったところか。3着のレンイングランドは久々に現れた快速3歳牝馬。1400m以上では奮わなかったが、1200m戦ではまだ一度も馬券圏内を外しておらず、今後の走りが大いに楽しみだ。