競馬日々報

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2015年 第51回七夕賞 回顧・戦評

第51回七夕賞は先頭集団の好位からレースを進めたハンデ57kgのグランデッツァが優勝。2着には中団からレースを進め直線では外からよく伸びてきたステラウインド、3着には上手くインで脚を溜められた最低人気のマデイラが粘りこみ、三連単は100万円を超える高配当となった。
ペースはトウケイヘイローが少し離して逃げる形で、最初の4ハロンが47秒0。そこから12秒5、12秒4とトウケイヘイローがペースを落としたところで、2番手のメイショウナルト以下馬群が接近して3コーナーへ入り、そこから11秒8、11秒4、11秒1と速いラップで4コーナーから最後の直線走路でグランデッツァが前を捕まえて残り200メートル。最近は京都コースでの好成績が目立つグランデッツァだったが、スプリングS札幌2歳ステークスでも器用にコーナーリングして前を捕まえているので、周り脚が本当に速く小回りコースのほうがむしろ強いのかもしれない。そのグランデッツァを追ってくる組は、一列後ろの外からアルフレード、その一列後ろからステラウインド。1番人気のレコンダイトはコーナーでアルフレードの外から進出しようとするも、ペースが上がったところで息切れ。アルフレードとステラウインドが直線で早々と逃げるトウケイヘイローを捕まえ、それを外から猛追するアルフレードとステラウインド。内から脚を溜めていたマデイラ、前につけていたメイショウナルトの脚も残っていた。末が目立ったのはステラウインドだったが、前を追い詰めるまでも行かずに最後の1ハロンを12秒0でまとめたグランデッツァがステラウインドに1馬身1/4差をつけてゴール板を一番に駆け抜けた。最低人気のマデイラで最内の経済コースを活かして立ち回った大野拓弥はお見事、複勝は4000円の高配当。対して、向こう正面でペースを緩めてグランデッツァ他と開催2週目の良馬場の野芝で上がり勝負に持ち込んでしまった7着トウケイヘイローは最後まで止まってはいないだけにもったいなかった。5着のアルフレードは、小回りで自分から前を捕まえにいくパターンは合わないんだろうか、広いコースで前を潰すのは他力本願気味に末脚に徹する競馬で穴を拾う狙い方が今後は良さそう。4着メイショウナルトは去年が56kg、今年は57kg、グランデッツァを勘定に入れなければこんなものだろう。4番人気のマイネルディーンは、ペースが上がった勝負どころでまったく追い上げられないまま外を回されて脚がなくなるという最悪のパターン。狙いは福島民報杯のような差しの競馬だったのだろうが、相手が強くなってそれは難しいのではないか。この馬なりには走っている。
勝ったグランデッツァは3年前のスプリングS以来の重賞制覇となり、マイルCS3着など復調を見せていた素質馬が強さを見せつけた形。小回りコースでスローペースの前につけて仕掛けのタイミングを見誤らず、最後までキッチリと脚を伸ばして脚を余らせない、そして勢いのある追い込み馬の猛追を完封して一番にゴール板を駆け抜けるという川田の騎乗ぶりは、まさに宝塚記念のリプレイを見ているようだった。やはりこの人は先行馬に乗せてこそ輝く騎手だと改めて思った。これで2000mの競馬にメドが立てば、グランデッツァは秋は天皇賞からマイルCS狙いだろうか。また毎日王冠に出てきそうな有力馬が増えた。

レース後コメントから

【七夕賞】(福島)~グランデッツァが復活V | 競馬実況web | ラジオNIKKEI

2着 ステラウインド(蛯名正義騎手)
「うまいこといきました。アルフレードなど、もう少し前が動いてくれればよかったです。自分から動いていくわけにはいきませんからね。ただ、直線では伸びていましたし、距離は2000mぐらいがいいのではないでしょうか」

やっぱりレコンダイトとアルフレードを相手に競馬していたようなので、2着止まりなのは納得。ペース緩かったんだし、もう少し出していけば結果はわからなかったと思うのだが。

4着 メイショウナルト(津村明秀騎手)
「後ろに気をつかっていたので、もう少し3コーナーから行ければよかったです。最後はもう1回盛り返していただけにもったいなかったです」

結局マデイラにやられてしまっているので、やっぱり津村はセンス悪い。

5着 アルフレード北村宏司騎手)
「後方一気ではどうかと思ったので、意識的に出していって、ある程度のポジションにつけようと思っていました。向正面では勝った馬を射程圏に入れましたが、コーナーリングで一緒に加速できませんでした。モタモタした分、置かれてしまい、最後も差が縮まりませんでした」

馬体重550kgのアルフレードは機動力競馬には向かないよね、というお話か。

7着 トウケイヘイロー柴田善臣騎手)
「マイペースでうまく運ぶことができましたが、成績が悪かったです」

これは単純に手が合ってなかった。もっと積極的な競馬できるヤネに。

12着 レコンダイト(M.デムーロ騎手)
「スタートして、内の馬に寄られて、位置取りが悪くなってしまいました。向正面で追い上げましたが、小回りの2000mは向かないと思います。広いコースの方がいいでしょう」

それに加え、夏競馬参戦は初めてだったので止まりすぎはそれも影響したのかも。京都大賞典は向きそう。