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2015年 第38回帝王賞 レース回顧・戦評

第38回帝王賞ホッコータルマエがクリソライトに3/4馬身差をつけて優勝。ホッコータルマエはこれでJpn1とG1を合わせて9勝となり、歴代最多に並んだ。
レースはスタート直後からクリノスターオーとクリソライトが引っ張る流れ。最初の3ハロン35秒2とかなり早いペースで1~2コーナーと周り、ワンダーアキュートニホンピロアワーズホッコータルマエと中央勢が前2頭を見るように一団でそれを追走、中央勢の3馬身後ろに1頭ポツンとハッピースプリントでこれが6番手、ユーロビートはそこから更に離れて7番手を追走。その後も12秒6、12秒1、12秒0と緩むことなく3コーナーへ。3コーナーに入るあたりでハッピースプリントが中央勢に追いつき、クリソライトがクリノスターオーを外からかわしてここで先頭。その外からホッコータルマエが捕らえにかかる。直線入り口ではコーナーワークも活かしてクリソライトが1馬身ほどの差で先頭に立っていたが、外からホッコータルマエがじわじわと追い詰める。他の中央勢は完全に脚色一杯で、ハッピースプリントがまとめて捕らえるかという勢いで迫ってくるも残り200の地点で前2頭と同じ脚色に。残り100とちょっとの地点でホッコータルマエがクリソライトをかわし先頭、そこからクリソライトもよく抵抗したがそのままホッコータルマエが1着でゴールイン、2着クリソライト。3着にはハッピースプリント。1、2着以外の中央勢は最後に脚を伸ばして4着に入ったユーロビートにもかわされ、5着にニホンピロアワーズ、6着にクリノスターオー、ワンダーアキュートは8着に終わった。
スタートからとにかく速い流れで、前半1000メートルが59秒9では前に行った馬には相当キツい。勝ったホッコータルマエはドバイ帰りで仕上げもイマイチに見えたものの、それでもキッチリと勝てるのだから大したものだ。そして、その速い流れの中でも粘り通したクリソライトの評価は大きく上げる必要があるだろう。地方の馬場でこれくらいの距離でしっかり前につけられると本当にしぶとい。その他の中央勢は、飛ばし過ぎた上にまだG1級では実績のないクリソライトと、ハイペースに付き合ってしまった8歳のニホンピロアワーズ、9歳のワンダーアキュートと4コーナーまでに完全に脚をなくしてしまった。飛ばす中央勢を見ながら自分の競馬ができた3着ハッピースプリントは直線入り口まであわやという見せ場は作れたものの、外を回ってまとめて差し切るまでの自力はなし。コーナーでもっと内側を回れればもっと際どかったとは思うが、そこは脚をためる競馬とのトレードオフかしわ記念帝王賞と中央馬の一線級とも勝負になるところを見せた4歳馬、これからが楽しみな存在だ。4着ユーロビートはバテた中央勢をかわしてのこの着順なので着順通りの評価は難しいが、無理をせず冷静に自分のペースで競馬できた好騎乗であった。5着ニホンピロアワーズ、6着クリノスターオー、8着ワンダーアキュートはハイペースが響いた。
ホッコータルマエは勝つ時も派手な着差をつけてぶっちぎるということはないが、安定して結果を出している。次はJBCクラシックという話もあり、G1級レース10勝目の新記録樹立の可能性がより濃くなってきた。